デック構築のワンポイントレッスン その2

今回は各カードの比率について。


【基礎比率】
ユニット、地形、それ以外のカードの比率について。
デックの勝ち筋や展開力によって比率を変えるのが基本なので、適当に分類して説明してみる。

○一般的に推奨される比率
よく言われているのは
ユニット : 25〜30枚
地形 : 3 〜 5枚
その他 : 残り
という構成。
ただし、アルフレア環境では即時召喚できるユニットの大型化が進んでいるので、ユニットがもうちょい少なめでも問題なくまわる印象。
もちろん構成次第なんだけど……。
また、ユニットが少ないと当然ながら初手の事故率は上がる。ユニットが少ない構築ではうまく手札を切る事を覚えよう。

○展開力のあるデックの場合
展開力のあるデックの場合、戦場の支配率を戦闘単位での勝率より重視する事が多い。
この為、ユニットの比率は高めで、地形もそこそこの枚数投入し、アイテムやスペルといった対抗手段は少なめに抑える事が多い。
戦闘での手数の不足は、
・陽動戦闘
・そもそも戦闘を起こさないで相手の手札を腐らせる
あたりで補う。
例えば、展開力のあるデックの代表格であるバードマンデックでは、
ユニット : 30枚超え
地形 : 6枚程度
アイテム : 残り
という構成となるパターンが多い。

○対抗力を重視するデックの場合
戦闘単位での勝利を優先する場合、対抗数を重視し、ユニットと地形の比率を下げる事が多い。
ただし、対抗重視のデックでは手札枚数が重要なので、護法陣の導入は必須。
代表格は猫ドラジェデック。
ユニット : 20枚ちょい
地形 : 護法陣数枚
その他 : 残り

○大型主体のデックの場合
大型ユニットを軸に運用を行うデックの場合、ユニット枚数が多いと目詰まりを起こしてしまうので比率を下げる事が多い。
また、地形を多めに入れて展開力を増加させる事も多い。
現状だとあまり該当するデックが無いが、エスメラルダを用いたデックは大型主体、かつ対抗力を重視するデックと言える。

○小型主体のデックの場合
大型と逆で、ユニット数が少ないとリミットを埋められず不利になる事が多いので、ユニットの比率を上げる必要がある。
ユニットの消耗率も激しいので、枚数が少ないと消耗戦になった場合にも厳しい(そもそも現環境での小型主体デックは消耗戦に弱い、というのも覚えておくといいかも)。

○装備品が入っているデックの場合
指針次第で難しいラインなのだけど、個人的には(枠が増加する)装備品が入っている場合はその分ユニットを削っても良いと考えている。
※狂戦士系のような 1戦闘限りの使い捨て装備とか、枠が増えないブロウガンは別
ただ、あんまりやり過ぎると 1戦闘辺りのユニットの生存に関する重み付けが上がり過ぎるので注意が必要(好例はドラジェデック)。

○「基礎比率」まとめ
デックの指針と同じで、これまた上記の複数の指針が混ざり合ったものとなる。
また、ユニットの比率によりプレイングが大幅に変わる(大型を捨てるプレイングと小型を捨てるプレイングの対比とか)ので、そこも考慮した上で組めるのが理想。
個人的には地形をそこそこ投入したデックが好み。
護法陣はとりあえず入れとけレベル。
時空門もかなり強烈なので、よほど属性がばらけていない(またはリミット10 で戦いたくない)限りは積極採用して良いと思う。
俺の場合はアルフレア環境では合わせて 5,6 枚くらいになる事が多い。
ただし、代理地形主体で良いじゃない、という人も居るので、地形の比率に関しては完全にプレイスタイルによると思う。


【ユニットのレベル比率】
ユニットカードの中でどのくらいの比率で即時召喚カードを入れるのか、というお話。
これまたデックタイプにより様々なので、基礎比率と同じ感じで説明してみる。

○一般的に推奨される比率
いまいちこれだって言う比率はないので結構適当に。
・レベル7 以上のユニットは数枚程度に抑える
・レベル6 以上のユニットは多くても 10枚を超えないようにする
・即時召喚可能なユニットはユニットの半数を占めるくらいは入れる
・リミット8/10 で端数になるような PT 構成とならないようなレベル比率にする
・レベル1 以下のユニットは、多くても 10枚を超えないようにする
これはあくまでバランス型のデックの場合の話なので、当然ながら例外は存在しても良い

○偶数レベル主体の構成
レベル 2/4/6 主体で組むとリミットが埋め易い。
ルフレア現在のカードプールだと、奇数レベルユニットの種類が少なく、偶数レベルユニットの比率が高いので、必然的に構築も偶数主体に寄り易い。
安定して事故り辛い構成として昔から人気の高い構成。

○奇数レベル主体の構成
2/3/5 主体で 1 をアクセント程度に入れるとリミットが埋め易い。
2+5 とか 2+2+3 のように余りが出るような PT 編成にならないようにする為に、ユニットの生存優先度を考えたり、召喚の順番を考えたりと若干運用に慣れが必要な面も。
また、バードマンみたいに 1/2/3 主体(5 がアクセント)というのも有で構成は幅広い。
癖はちょっとあるけど、レベル 3,5 が強めに調整されるのがブロッコリー時代のモンコレの風潮だったようなので、色々と試して感覚を覚えておいて損はないかも。
現環境でもレベル1 はかなり強めの設定だしー。

○大型主体の構成
大型を入れると当然ながらリミットオーバーでユニットが詰まり、手札がまわらなくなってしまう。
この為、大型ユニット(レベル6 以上くらい)の比率は多くてもデックの 1/3 を上回らない程度に抑えておいた方が良い。
ただし、シルヴィアの竜姫が入っている場合やドラゴンのカードを能力のコストとして利用できる場合、(ドラゴンに限るが)大型ユニットを多めに投入しても事故り辛くなる。

○超大型主体の構成
レベル7〜8 をどこどこ導入し、あとは小型のサポートユニットで固める構成。
この場合、例外的にレベル7〜8 ユニットを 10枚くらい仕込んだりする事も。
強力な地形カードが増えてきたり、召喚をサポートするカードが増えてくると運用し易くなる構成なので、今後のカードプール次第ではよく見かける事になるかもしれない。
ただし、結構ピーキーな構築で、事故率も高いので、主流となることはあんまない。
現環境だとエスメラルダとアイドルマイスター辺りを絡めた構築くらいしか厳しい感じかな。

○「ユニットのレベル比率」まとめ
「いかに手札事故を起こさないような構築にするか」は TCG にとって至上命題の一つ。
モンコレにおいては、ユニットの枚数とレベルの比率がこれに大きな影響を与える。
幸い、今はデックレシピがネット上に氾濫している時代。
慣れないうちはネット上でよく見かける比率に習った構築を行い、なんとなくこんな感じで組めば事故り辛いな、という感覚を肌で覚えるのが良いと思う。
そして、その後構築と運用に慣れてきたら自分流にアレンジしていこう。


【枠比率】
スペル枠、アイテム枠とそれぞれのカードの比率について。

○一般的に推奨される比率
ユニットのスペル、アイテム枠がそれぞれ、アイテム、スペルカードの枚数の 1.5〜2.0 倍くらいはあると事故り辛いと言われている気がする。
ただし、これは「事故を起こし辛い」構築比率で有り、枠をフル活用する事に主眼を置いた構築でない事を頭の片隅に入れておくと良いかも(詳細は後述)。
あと、これは個人的な意見だけど、手札上限枚数が増えるカードを入れている場合は枠比率を若干下げても良いと思う。

○対抗数を重視する場合の構成
上に書いた、ユニットのアイテム枠、スペル枠をフル活用する事を重視した構成。
限定的な効果を持つカードを多く入れていたり、対抗手数をとにかく重視する場合、スペルの比率を上げて戦闘直後に息切れし辛くしたりする(第二手札調整フェイズでスペル、アイテムを引く確率を上げる)事がある。
ただし、当然ながら事故率は上がるので、思い切りの良い手札運用が必要。
また、1戦闘の重みも当然ながらアップ。1回の同時攻撃で崩れる可能性が上がる可能性も十分に考慮してプレイングする必要がある。
モンコレに慣れてきたらこういう構築も試してみるのが良いかもしれない。
※アルフレア環境だと、Dual スペルや複合スペルの運用機会が多く、スペルカードの枚数をそこまで重視しないでも良いかも

○アイテム枠の注意事項
装備品が入っている場合、装備時にアイテム枠を占有する事になるので、若干アイテムの比率を下げた方が事故らないで済むようになる。

○「枠比率」まとめ
究極的には、ユニット引かない事故とスペルorアイテム引かない事故のどちらを取るか、という話(まぁどう組もうがどちらの事故も発生するのだけど、確率の話という事で)。
好み、運用の癖、経験則、様々な要素が絡んで決定する比率だと思うので、色々試して自分にあった比率を探してみるのが良いと思う(こればっかだな……)。

【タイミング別のカード比率】
○普通タイミングのカードについて
攻撃以外のダメージソースが無いと対戦相手は非常に対応し易い。
例えば、攻撃と火系のスペルがメインのダメージソースのオルクスデックは、火炎耐性と攻撃対抗の能力を持つヴァーミリオン・ファングに非常に対応し辛い。
これに比べ、同じく先攻型のバードマンデックは、バードマン夜襲隊や鷲目のブロウガンの能力でヴァーミリオン・ファングを鼻歌まじりに撃破できる。
このように、相手に合わせた様々なダメージソースがあるのが理想である(そして、その中でも無属性ダメージは特に強い)。
また、マジック・シールドの採用率が高い現環境だと、対抗連鎖を一度終了させる、というのも非常に重要な意味がある。
よって、普通タイミングでダメージ(+α)の効果を与えるスペル、能力を持つカードはデックに少なくとも 2種類以上は用意したい(普通/対抗カードで代用できれば入れる必要は無い)。

○普通/対抗タイミングのカードについて
自分のデックが苦手とする行動についての対抗策を優先的に入れるのが良い。
例えば、バードマンデックの場合、(同型やドラジェ以外には)基本的にイニシアチブを取れる。また、スペルも使わない。
必然的に怖いのは、ブロウガン等の行動完了型能力への対抗、攻撃への対抗となるので、それを封じられるようなカードを優先的に選択する。
対抗を行える宣言には以下の種類がある。
 - 攻撃に対する対抗
 - アイテムに対する対抗
 - スペルに対する対抗
 - 行動完了型能力に対する対抗
 - 宣言型能力に対する対抗
また、対抗のタイミングが限定されるカード程汎用性は下がり、腐り易くなるので導入は慎重に。
ただし、タイミングが限定されるカードは以下のように強力な効果が付加されている場合が多い。
 - オーシャン・タイドのような攻撃への対抗
 - 滅びの粉塵のようなアイテムへの対抗
 - プリズム・ブレイクのようなスペルへの対抗
 - プラズマ・インパクトのような行動完了型、宣言型能力への対抗
 - マテリアル・ブレイクのような装備品への対抗
逆に、ダメージを与えたり、防御力を上げるような対抗は汎用性が高いので積極的に導入を行って良い。
効果として強力なのは上から順に以下のような感じになると思う
 - 効果を打ち消すもの
 - 効果を受け付けなくするもの(例:レジスト)
 - 無属性の即死レベルのダメージを与えるもの(↑と同じくらい強力)
 - 属性有の即死ダメージを与えるもの
 - ダメージを与えるもの
 - 防御力を増加させるもの
自分のデックが苦手な行動に対しては効果が強力なカードを入れ、対応を行い易い行動については汎用性の高いカードで凌ぐような構築にすると「戦闘で負け辛い」構築ができて安定性が増すと思う。

○宣言型能力について
手札を破棄する事により能力を発揮する宣言型能力持ちユニットを採用する事で、強力な効果矢能力を持つがタイミングが限定されるカードが腐るのを防止する事ができる。
例 : フリスキー、ラインズベル、アルカナ・ドラゴン
この効果を持つユニットを組み込む場合、コストとなる種類のカードの比率は多少上げても良い。
また、能力自体もコストカードの枚数 = 対抗回数で有り、相手に対抗数が見えないので非常に嫌らし強い。

○スペル枠を利用する事で効果を発揮する特殊能力について
2枠スペルのような撃的な効果を持つものは少ないが、最低限 1枠スペル並の仕事をしてくれるものがほとんど。
手札の節約が可能で、必要以上に効果の大きいカードしかない場合の無駄撃ちも抑える事ができる。
重要な場面へ手札を温存、消耗戦への耐久力、と良い事尽くめだが、対抗数自体は増えないので、大規模な対抗合戦の際には注意が必要。
速攻系のデックなのか、広く展開してじわじわラインを上げていくデックなのか、構築の種類によってこの手の能力持ちの比率も変えると良い。
けど、数枚は仕込んでおくと、戦場を広く使う展開になった時に楽にナルヨ。

○「タイミング別のカード比率」まとめ
カードの種類が多くてどれが効果的か分からなくなりがちだけど、
まずは苦手な行動、こちらの勝ち筋を妨害する行動への対策カードを入れる。
次に行動の起点となるような普通タイミングのカードを入れる。
余った枠で更に苦手な行動や、起点行動を妨害してくる行動を潰すカードを入れる。
というような感じで組み立てていくと分かり易いんじゃないかと思う。



またまた長くなったので今回はこんな所で。その3(最終回)は TIPS とこれまでのまとめとかを書くつもり。
書き貯め分がなくなったので、更新は金曜くらいになる予定。